第80章 遅れたお祝い
一方、桜は瑠火にお祝いをどういった理由で延期してしまったか、何をすれば喜んでくれるかについて全て事情を話して相談していた。
(『その男の名を教えて下さい。社会的に抹殺してみせます。』……教えちゃだめなやつだ。適当にはぐらかさなきゃ。えっと…、『お祝いは家族皆でするよりも 桜さんと2人きりでした方が喜ぶと思いますよ。』か。そうなんだ…てっきり多い方が良いのかと……勉強になるなあ。)
桜は男の名は忘れてしまった事と礼を伝えると、彼氏へのプレゼントについてスマホで調べだす。
(わ、いっぱい記事がある。皆やっぱり悩むんだなあ…。ボールペンや腕時計、ネクタイ、キーケース、お財布……うぅ、選べない……。)
そうして悩んでいた時、昔のルームシェア相手であり 親戚の早苗からメッセージが入った。
(『今度の週末東京に帰れるんだけど日曜に会えない?』ってわー!嬉しい!!)
桜は快諾し、また、杏寿郎の誕生日プレゼントについても相談した。
すると早苗は『その日に買いに行こう。』と半ば強引に決めてしまった。
早苗は桜が杏寿郎と長いすれ違いをして痩せていく中、杏寿郎から来た『桜と連絡を取らせて欲しい。』というメッセージに返信をせず、感情的になってブロックし、連絡先も消したのだ。
しかしその2年後 桜の勘違いが原因であった事を知り、自身が取ってしまった行動に酷い後悔を覚えていたのだった。
早(2人どちらもに悪いことをした。私が仲を取り持っていればすんなり解決できたのに…。こんな事で罪滅ぼしにならないと思うけど、誕生日プレゼントくらいは全力で協力しなきゃね!)
そう思うと勤務先である大阪でガッツポーズをした。