第79章 サイコロステーキ先輩
ちなみに次の日も酷い腫れと激痛が引かず病院へ行ったところ、左腕は複雑骨折しているとの事だった。
それでも試合の様子を撮られてしまっていた澄滴は、医者に『相手は止めようと言っていたのに俺がやりたくて剣道の試合を続けた結果です。』と言わざるを得なかったのだった。
一方、駒校の教師陣には憶測で正しくない噂が立つ前に桜の許可のもと 澄滴が桜に良からぬ事をしようとした為 辞職する結果となった事ときちんと未遂であった事が隠さず伝えられた。
そして杏寿郎は信頼出来る教師に1人1人話をして 個人的に桜を注意して見てくれるように協力を仰いだのだった。
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ち「一ノ瀬先生、ごめんなさい!同期飲みの時そんな事になってたなんて…!!」
事件の経緯を聞いた同期である 藤堂ちえは青くなりながら桜に頭を下げた。
「藤堂先生…。良いんです。賽子先生が何か適当なことをいったんでしょう?」
桜は困った様に微笑みながらちえの頭を上げさせる。
ち「はい…体調不良で先に帰り参加できなくなったと……。でも鵜呑みにしないで確認するべきでした。本当にごめんなさい。」
「気にしないで下さい。それよりまた誘ってください!次は絶対に楽しみましょー。」
いつの間にか集まった他の同期の面々もその言葉に頷いた。
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そうして一件落着に思えた頃、澄滴に撮影を任されていた範波弘は、澄滴が自ら酷い発言をしてしまった動画の処理に悩んでいた。
範(まー普通は消せば良いんだろうけど、あいつ面白いくらい屑なこと言ってんだよなー。消すのもったいねー…。場所と顔、声が分からないように加工してネット掲示板に投下してみるか。よし。)
そうしてプライバシーはギリギリ保たれた動画はネットに拡散されたのだった。