第79章 サイコロステーキ先輩
澄「た、大正……?あんたも鬼殺隊だったのか…。俺は……俺は那田蜘蛛山で十二鬼月を追い詰めたこともあるんだぞ!!」
その言葉に杏寿郎、天元、桜の目が丸くなった。
(驚いた…。自分が弱い隊士だったから話に参加出来なくて杏寿郎さんが生まれ変わりだって事も把握出来なかったんだ…。)
杏「そうか……。それは立派だ。」
少し呆けて言う杏寿郎の後ろで天元が笑いだし、杏寿郎の背中にのしっと乗っかる。
天「え、もしかして俺のことも知らない?いつ死んだんだ?那田蜘蛛山か?柱稽古に参加してたらもっと俺達を見て驚いたはずだよなあ?」
杏「乗っからないでくれ!!重い!!!」
柱など見る機会もなかった澄滴は眉を寄せて天元を見た。
澄「そうですよ、下弦の伍と同等以上に戦いました。…宇髄先生もそうなんですか。俺はお館様とあまね様、生徒一人に不死川先生、伊黒先生、一ノ瀬先生以外は知りませんね。」
天「ふーん。」
天元は笑っていたが少し不快そうな顔をする。
杏「宇髄!昔の話は今どうでも良いだろう!!俺は、」
天「不死川、伊黒、悲鳴嶼さん、俺、……そして煉獄も元柱だぜ。あ、冨岡も。おめーが追い詰めたっつー十二鬼月を倒したのは冨岡だ。弱かったって言ってたなぁ。首を斬るのに技も出さなかったって。」
澄「…………は、しら……?」
杏「宇髄。もう良いだろう。すぐムキになるな。」
天「あいつが生意気言ったからだろうが。たかが下弦の伍相手に死にやがっ」
桜は一般の先生の目を気にして天元の口を日誌で覆った。
手が届かなかったので日誌を使ったのだが、勢い余って顔を叩いたようになってしまった。
それに桜は気付かない。