第79章 サイコロステーキ先輩
『――ラブホテルに―、あれは――』
澄『――――…、――。』
『ですから、手を――、―私は――。』
澄『確かにホテルまで引き摺ったし抵抗もされたけど実際のところ俺に抱かれるのは満更でもなかったんだろ!』
『満更な態度取ったことありませんし、無理矢理引き摺りこんだのなら強姦未遂ですよ。』
澄『はぁ!?満更も何も俺に言い寄られておいて惚れてないわけ無いだろ!!』
『つまり賽子先生は証拠もないのに私が好意を寄せていると思ってホテルで無理矢理抱こうとしたんですね?』
澄『そういうプレイだろ?1ヶ月以上も断り続けやがって!いつまでその態度続ける気だよ!』
(やった!イライラさせるまで粘った甲斐があった!)
桜は数日掛けて澄滴が苛々するまでしつこくあの日の事を何度も聞いていた。
そしてやっと声を録れたのだ。
また 日付けを証明する物と共に腕についた痣を撮影し、更に澄滴が授業中に黒板を叩いた際に付けたチョークの付いた手形も定規と共に撮影した。
そしてそれが自身の痣に一致する事をレポートに纏めたのだった。
(腕の跡がなかなか消えない…。しつこいあの人みたいで気持ち悪い……。見せたら杏寿郎さんも嫌な気分になるだろうな…。次の本当の生理の時どうしよう…『不順だから体が心配だ。』って産婦人科に連れて行かれそう……。)
杏「桜……。音楽室へ行ったのだが入れ違いになってしまったようだな。」
杏寿郎はこの日もいつもの様に部活終わりの桜を音楽室まで迎えに行っていた。
しかし、桜は既にそこに居らず 入れ違いになったのだと思って杏寿郎はすぐに車へ戻った。
だがそこにも桜は居なかった。
そして暫く校舎を走り回ったり車に戻ったりを繰り返した後、今漸く桜を見つけたのだ。