第79章 サイコロステーキ先輩
天「今度は何よ。」
杏「桜が何を考えているのか分からない。」
天「女とはそういうもんよ。……桜以外はな。」
杏「それでは大問題じゃないか。」
天「まあ、待てって。何があったのか話してみろ。」
面倒見の良いモードに入った天元にそう言われると、杏寿郎は 桜と澄滴が同期飲みに揃って参加していなかった事、スカートのファスナーとシャツのボタンが取れ 更にストッキングが破かれていた事を話した。
杏「それに帰ってきてすぐシャワーを浴びて、その夜は俺としなかった。毎晩しているのにだぞ。」
天「それは……、お前…………………、」
杏寿郎は天元が何を言いたいのかよく分かっていた。
桜が力尽きたように眠った後、ふと見えた腕には男に付けられたと思われる濃い手形が残っていた。
杏(抵抗しても無理矢理引き摺られたのだろう。)
視線の先でその腕が痛むのか、桜は何度も痣がある場所をシャツの上からさすっている。
天元もそんな桜を見ながら困り果てた。
天(普通に考えたらヤられてる。あいつ別に力強くないしそこまでされてから逆転出来るような奴じゃない。抜けてるし。でも相手が賽子なら何で普通に話せてんだ?煉獄に話さない理由は…まあ察しがつくけど。)
桜は休み時間になる度に澄滴と話す。
それは桜から話し掛ける時もあった。
結局天元は何も言えず、杏寿郎のもやもやと怒りは膨らんでいった。