第79章 サイコロステーキ先輩
次の日、桜は朝一番にあまねの元を尋ねた。
あ「そうですか…。賽子先生は鬼殺隊の時から小さなトラブルを起こすお人でしたが此方に来たのは縁だと思って受け入れたのです。それがこのような事になるとは…。」
「そう、だったんですね…。」
桜は炭治郎の苦笑いを思い出した。
あ「勿論 一ノ瀬先生の仰る事を全て信じましょう。ですがこのご時世、人を辞めさせるのにはそれなりの理由と証拠が必要です。特に賽子先生は口が達者でいらっしゃる。」
「任せてください!証拠を録音してみます!」
桜はセクハラの証拠などどっさりと取れる自信があった為、心軽やかに職員室へと戻った。
(賽子先生は…まだ来てないな。)
入り口できょろきょろとすると、自然と目が杏寿郎に吸い寄せられる。
杏寿郎は同期飲みについて不自然な程 聞いてこなかった。
桜にとっては有難かったが、澄滴について何も思わなかったのだろうかと少しだけもやもやとしていた。
(ううん、私が同期の先生と仲良くするのを邪魔しないように 賽子先生がいるのに耐えてくれたんだ。そりゃ話までは聞きたくないよね。)
桜はうんうんと頷くと自身の机へ向かう。
杏寿郎は桜が自身から視線を外したのを感じると 桜の方へ目を遣り、スカートのファスナーを見つめた。