第79章 サイコロステーキ先輩
澄「良いくびれだな。バックやり易そー。」
そう言って抵抗する桜の手を片手で簡単に纏めて抑え込むと 空いた手で桜の脇腹の線をなぞった。
途端に桜は気持ち悪さから身震いをする。
澄滴はまたそれが悦ばしい震えだと勘違いをした。
澄「やっぱこういう時はさ、ストッキングは破るに限るよな。」
「な、やめてください!!本当にもうこれ以上っ」
聞く耳持たずの澄滴は桜のストッキングを破り、下着を顕にさせる。
(本当に、まずい。このままじゃ杏寿郎さんを苦しめる。落ち着いて、落ち着いて…、)
杏寿郎への心配から、焦りと反し思考が少しずつ澄み渡っていった。
(…………逃げればいい。いつも私に出来るのはそれだけだ。)
桜は気付かれないようにチラッと澄滴の股間を見る。
澄滴は桜の姿に夢中になっていてガードが疎かになっていた。
(今度こそいけるかも…!自業自得……ですッ!!)
桜は思い切り蹴り上げると澄滴が悶絶している間に服と鞄を回収し、そのままの姿で部屋を飛び出してエレベーターに乗った。
そしてその中で急いで服を身に付けるとホテルを出て敢えて出口すぐの物陰に隠れる。
案の定、澄滴はすぐに追い掛けて出て来た。
そして道路に出てしばらくうろちょろと桜を探した後、悪態をつきながら部屋へ戻って行った。
桜はそれを見送ると漸く安堵の溜息をついたのだった。