第79章 サイコロステーキ先輩
ゴールデンウィーク明けも2人仲良く通勤すると職員室で大量の土産を配る。
実「ちっと気を遣いすぎなんじゃねェのかァ?」
天「いや、多分楽しくて買い過ぎただけだぜ。それにこれ芋の菓子じゃねぇか。絶対あいつも食う気だぞ。」
そんな事を言われながらも菓子は評判ですぐに無くなった。
そして杏寿郎はやはり芋の菓子を何人分か自身で食べてしまっていた。
そんな杏寿郎のスマホには子供が付けるような江ノ電のストラップが付いており、鞄にもイルカのキーホルダーが付いている。
そして当然の如く桜も同じように付けさせられていた。
(スマホも鞄も生徒からは隠せるから良かった…。)
男「あれ?一ノ瀬先生、どこか行ったんですか?」
「………賽子先生、おはようございます。江ノ島へ行きました。」
『へえ!』と笑う男は賽子 澄滴(さいころ すてき)。
生徒からは "サイコロステーキ先生" などと呼ばれているが本人は気付いていない。
彼は桜と同じタイミングで赴任してきた物理教師で何かと関わりが多い 所謂同期だ。
澄「ああ、おはよう。今日も結構可愛いじゃん。」
「……ありがとうございます。私、早めに教室向かいますね。」
桜はこの男を苦手としていた。
交際を申し込まれ、『恋人がいます。』と断ったにも関わらず『恥ずかしがってるんだな。』と言って諦めるどころか距離感を詰めてきたからだ。