第79章 サイコロステーキ先輩
杏「ああ。胸が温かくなった。それに複数の主人公の物語が最後に絡み合う構成は見事だった。」
「私も後半更に引き込まれました!」
そうして2人は映画を観てはお菓子を少し食べ、感想を述べ合い ただひたすらソファでのんびりしていた。
杏寿郎は少しラブシーンが入ると構って欲しそうに左右に桜ごとゆらゆらと揺れるので、桜はその度に笑って自身を抱き締める杏寿郎の腕を撫でていたが それが何回もになると、とうとう振り返ってキスを許した。
「……もう。観てるのに。」
杏「だが彼等だけずるいだろう。」
「ふふ、なぜそこに嫉妬するんですか。」
桜はそう笑ってまた前を向くと杏寿郎の腕を持って自身に巻きつけ直した。
しかしラブシーンがそのまま濡れ場になると巻きつけた腕が服の中に入って来ようとする。
「杏寿郎さん……、」
杏「君はこんなにくっついていても体は熱くならないのか。俺はもう大分前から我慢しているぞ。」
それを聞くと桜は慌てて映画を止める。
「な、何で言ってくれなかったんですか!我慢しないでください!」
杏「………………良いのか……。」
以前では考えられなかった反応に杏寿郎は驚きつつそのままソファで桜を抱き、ぽーっと余韻に浸っている桜を後ろから抱きしめながら映画を再び再生させた。
そうなってからは桜も杏寿郎の体を意識してしまって自ら求めたり、杏寿郎もまたおかわりをして午前中に3度してしまった。