第79章 サイコロステーキ先輩
翌日、ゴールデンウィーク最終日は杏寿郎によって料理を禁止された。
只ひたすら映画を観てまったりとするだけの日にする為だ。
最初、桜はそれに抵抗を感じたが 結局折れてその提案に従うことにした。
杏「さて、観るぞ。おいで。」
杏寿郎はそう言うと自身の足と足の間をぽんぽんと叩く。
桜はパッと顔を輝かせると走り寄った。
杏(愛らしいな。簡単に収まってしまう。)
杏寿郎は桜の頭に体重をかけないように顎を乗せると先に入れておいた ほっこり出来るという邦画を再生する。
(……熱い体だなあ。)
顎を乗せられた桜は少し頬を染めていた。
顎を乗せている本人はそんな事は露知らず、静かに映画を観ている。
基本的に行儀の良い2人は映画を観るのに合うようなお菓子を大量に買いはしたが ながら食べを出来ず、結局映画の合間合間に食べる事にした。
「途中苦しい場面もありましたが最終的にみんな幸せになれましたね。ほっこりです。」
映画の感想を言いながら桜は少し振り返って杏寿郎を見上げる。
すると杏寿郎は微笑み返して頭を撫でた。