第78章 江ノ島観光
イルカショーの会場を出るとカピバラやウミガメのコーナーへ移った。
桜は緩いウミガメの様子とそれを見る楽しそうな人々の笑顔を見て幸せそうな顔をした。
杏「水族館で人間の表情を愛でる人は珍しいだろうな。」
杏寿郎がそう言って笑いながら桜の頭を撫でると桜も微笑み返す。
「杏寿郎さんだって私の表情をよく見てくれます。」
杏「それは当たり前の事だ。例外だろう。それはそうと腹が減ってしまった。少し休憩をしようか。」
そう言うと杏寿郎は屋外にあったウミガメのコーナーから階段で再びデッキに上がり、中にあるカフェへ向かった。
「あざらしソフト食べたいです!」
杏「うむ!愛いな!!あざらしソフト1つとホットドッグを……8個ください!!」
(本当は10個食べたかったんだろうな…。)
そう思った桜は杏寿郎に分かられないようにくすくすと笑った。
流石に一気に8個頼まれる事はなかなか無い。
店員は頑張ってくれたが時間が掛かってしまった。
漸く届いた山のようなホットドッグとソフトクリームを手に、杏寿郎と桜は用意されてある椅子に座って軽い腹拵えをした。
そしてあっと言う間に食べ終わるとそのままカワウソのコーナーへと赴く。
「わ、わ、可愛い……!生で見るとテレビで見るより可愛いです……!!」
杏「うむ!!大変愛らしいな!!!」
杏寿郎の視線は相変わらず桜に向いていたが桜はそれに気付かない。
「ハンモックで寝ている子が居ますよ!可愛い…。」
桜は一生懸命写真を撮ろうとしていたが人だかりのせいで上手くいかない。
するとその様子を見ていた杏寿郎が桜の尻を腕に乗せるようにして縦に持ち上げた。