第78章 江ノ島観光
「わあ…大っきい。あれ!杏寿郎さんのもっと大きいですね!」
杏「うむ!欲望に抗えず大えびせんべいを買ってしまった!!君の姿が全て見えなくなってしまうな!!」
「ふふ、それは言いすぎです。」
桜は嬉しそうに少し頬を染めながら『いただきます。』と言い、パリッと小さくせんべいを齧る。
「……食べ歩きって初めてしました。とても楽しくてわくわくします。」
杏「よもや!それは本当か!!食べ歩きが醍醐味の名所は江ノ島以外にも沢山あるぞ!これからも2人で色々な所へ行こう!!」
そう言われると再び桜の胸は一杯になる。
(本当にこの人に会えて、好いてもらえて良かった…。)
それから2人は女夫饅頭やみたらし団子、ラムネソフトクリームなど 目に付いた物を食べていった。
杏「そろそろ昼飯を食べようか!」
「あ!そうでした!」
杏「旅館で聞いたおすすめの店がある。おいで。」
杏寿郎に手を引かれて入ったお店は『江ノ島と言えば…』と訊かれれば必ず挙げられる生しらす丼の店であった。
「私、やっぱり江ノ島で頂くのなら全部生しらすの丼ぶりにします!」
杏「うむ!俺もそうしよう!」
店員に頼んで間もなく運ばれてきた生しらす丼にはいくらも乗っている。
「わあっ、美味しそう…!いただきます!」
杏「うむ!頂きます!!」
いくらの塩気が良い具合に生しらすとマッチしており、桜はその食感にも堪らず頬を緩ませた。
杏寿郎も習得した小声の『うまい…!』を繰り返している。