第78章 江ノ島観光
「このお三方は何でもやっつけてしまいそうです。」
杏寿郎は『確かに頼もしいな!』と笑うと自身等の足元を指差す。
杏「この下が江島神社発祥の場所と言われている岩屋本宮だ。」
「……………………下…………?」
見つめる先はどう見ても固い岩だ。
眉を寄せて首を傾げる桜を見ると、杏寿郎は笑いながら手を引いた。
杏「おいで、その前にまずは稚児ヶ淵へ行こう。」
「はい!」
導かれるまま進むと鳥居の少し先からぷつりと消えてしまっているかの様に全く道が見えない。
「……?…あそこ、坂…ですか?」
杏「うむ、ここからずっと下るぞ!」
「きゃあっ」
急な階段の手前まで来ると 杏寿郎は桜を横抱きにして軽やかに下っていった。
店がある道を挟みながらも何度も急な下り階段を下りていくとパッと視界が開け海が見える。
「わああっ!杏寿郎さん!!」
杏「うむ!見事だな!!」
気持ちの良い青空の下の海は更に青く、よく映えていた。
階段を下りきると下は本物の岩となり、拓けたその広い空間では釣りをする人や岩の隙間で磯遊びをする子供までいた。