第77章 ※天元の入れ知恵と小旅行への出発
杏寿郎は桜が来るのを待っていたのか 窓から視線を外して空の向かいの席に目を遣ってから桜を不思議そうに見つめる。
杏「桜?もう待っていても出てこないぞ。足りなかったか?」
食い意地を張っているのだと勘違いをされた桜は赤くなって首を横に振った。
「お腹いっぱいで動きづらかっただけです…!」
杏「そうか!」
杏寿郎はパッと立ち上がると桜の元へ寄り、軽々と抱き上げて窓際の椅子に戻り 障子を閉めてから桜を抱いたまま座った。
杏「確かに小さな腹が膨れているな。まるで……、」
杏(……まるで 俺の子を宿しているようだ。)
口にはしなかったが慈しむように海鮮の入った腹を撫でられれば桜も流石に不審に思う。
「杏寿郎さん…それは私達の子じゃありませんよ。……海の子です。」
何となく少し申し訳なさそうに言われると杏寿郎はハッとして手を止めた。
杏「すまない。まだ先の事だと…分かってはいるのだが……。」
そう言って杏寿郎が残念そうに眉尻を下げると桜は母性本能を擽られ、杏寿郎がこれ程望んでいるのならもう子作りをしてしまおうか、などと思ってしまう。
それと同時に本能も刺激され体が疼き始めた。
(話題のせいか…お酒のせいか……どっちもなのかな。)
そう思いながら同じく固く大きくさせてしまっている杏寿郎の昂りを太ももで クリンッと刺激する。