第77章 ※天元の入れ知恵と小旅行への出発
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「もう頭はスッキリしました。付き合わせてしまってすみません。今からでも2次会に合流しますか?」
散々舌を入れて煽った桜は杏寿郎の体がどうなっているのかを忘れてそう訊いた。
杏寿郎は少し固まった後、自身からは何も言わずに桜を優しく抱き締め 舌を絡めたキスをしながら背中をなぞり始めた。
それは体を重ねる前に杏寿郎がする行為であり、それ故にそうされるだけで桜の体は期待から熱くなってしまうようになっていた。
「杏寿郎さん…、背中はあんまり触っちゃ…、」
杏寿郎が自身の体を意図的にそうさせたとは知らない桜はただ熱くなる体に困惑し、杏寿郎を止めようとする。
杏「背中を触るなど抱擁と然程変わらない。普通だろう。」
「そ、うですよね…。でも、すみません。私……、したくなっちゃいました…。」
桜が困ったように言うと 背中をなぞっていた杏寿郎は目を細めて満たされたような黒い笑みを浮かべてから体を離し、桜にただ穏やかで優しい笑みを見せた。
杏「そうか、酒を飲んだからかもしれないな。おいで。体が辛いだろう。」
そう言うと礼を言う桜を寝室へ連れて行き明るい室内で脱がせていく。
そして一通りの準備が出来るとゴムを付けながら杏寿郎は桜をチラッと見た。
杏「桜、体調はどうだ。良ければこの前の…、」
「したいです。体調良いです…!」
杏「そうか。分かった。」
杏寿郎は優しい笑顔を浮かべると慣らすことなく 桜でなければ耐えられないような激しく重い重い律動を始めた。