第76章 始まるGW
由「まあ!桜、素敵じゃない!!杏寿郎さんも真新しいスーツなんじゃないかしら?しっかりしてるわねえ。」
杏「お父様、お母様、お久しぶりです!!仰られた通り、桜さんの色留袖も俺のスーツも昨日受け取ったばかりの物です!」
「杏寿郎さんが内緒で仕立ててくれてたの。」
勇之は『まだその呼び名は許していない』と言いたかったが桜の姿に感極まり、そして会話の内容から言いづらくて口を噤んだ。
そこへ煉獄家一向も到着する。
「お義父さま、お義母さま、千寿郎くん、こんにちは。」
杏「父上!母上!来て頂きありがとうございます!!千寿郎もありがとう!!」
勇(父上、母上……?大正時代の名残だろうか…。)
槇「ああ、桜…さん、似合っていますね。一ノ瀬さん、今日はよろしくお願いします。」
「ふふ、お義父さまが素直だ。」
槇「な、」
瑠「よろしくお願いします。杏寿郎が呼び出したと聞いています。来て頂いてありがとうございます。…桜さん、とてもお綺麗ですよ。」
「ありがとうございます、お義母さま!」
桜が嬉しそうに笑うと杏寿郎と瑠火が笑みを深める。
その表情はどこか似ていた。
(ああ、親子なんだなあ…。)
そうしみじみと思っていると由梨が勇之の腰を軽くペシペシと叩きながら頭を下げる。
由「いいえ、私もお会いしたかったので嬉しい限りですわ。髪と目の色が男性の方々は同じなのですね。」
千「は、はい!僕は弟の千寿郎と言います!僕まで参加を勧めて頂きありがとうございます!!」
「はあ、可愛い…。千寿郎くん、来てくれてありがとう。」
千「あねう、桜さん!お久しぶりです。とってもお綺麗です。」
千寿郎に褒めてもらうと桜は瑠火に褒めてもらった時とはまた違う緩んだ笑みを見せた。