第76章 始まるGW
杏「まだ17時過ぎだ。今日のうちに明日のスーツを取りに行っても良いか。」
「は、はい!……まさか、わざわざ仕立てたのですか?」
杏「うむ!大事な日だからな!!」
桜は『そこまでしなくても』という気持ちより『そこまでしてくれて嬉しい』という気持ちが勝ってしまった。
「……父はそういう心構えを好ましく思うと思います。」
杏「そうか!それは良かった!」
「私も新しい服を着ていった方がいいかしら…。」
すると杏寿郎は『それは俺に任せると良い!!』と大きな声を出した。
桜は『ただ着せたり買ったりしたいだけなのでは…、』と思いつつも付き合ってくれる事に対して礼を言った。
杏寿郎のスーツは濃紺のシンプルな物だった。
「うう…似合ってます!爽やか…!!100点です!」
杏「はは!そうか!ありがとう!!」
杏寿郎はまた後でスーツを取りに来る旨を店員に伝えると桜の手を握って今度は迷わず和服売り場を目指した。
「えっ!?わ、和服を買うのですか!?それなら振り袖で、」
杏「俺も新調したぞ!こういった節目には新しい物を着るべきだ!!それにもう仕立ててある!!」
「え"っ」
桜は呆気に取られて反論出来ず、結局大人しくついていった。