第75章 とある日曜日
(…………少し恥ずかしい……………それに…、)
杏寿郎はわざとか無意識か、固くなっているモノを桜の下腹部に押し当て 擦り付けていた。
そうされればされる程 桜も妙な気分になり赤くなっていく。
それでも杏寿郎は何も言わない。
(……しないのかな………そうだ、コンドームがないもの、)
杏「君は怒るかも知れないが、ゴムなら持ってきている。」
「………………………………………ゴム……?」
杏「コンドームの事だ。」
それを聞いて桜は考えを読まれた事を知り、赤い顔のまま眉尻を下げる。
「……そ、それならしたいです。」
桜の素直な積極さに杏寿郎はすぐ深いキスで応え、そのまま部屋に入ってすぐに桜を抱いた。
杏(以前の桜ならゴムを持ってきてきただけで怒っただろう。赤くなって恥じながら怒る姿も良かったが……今の桜もまた愛らしいな…。)
2度抱き終わった後、杏寿郎はそう思いながら自身の胡座の中で幸せそうな顔をしながらくっついている桜に視線を落とす。
すると桜もそれに気が付いて顔を上げた。
目が合うと桜はふわあっと笑う。
「幸せです。」
杏寿郎は暫くただ微笑みながらその笑顔を愛でるように頬や頭を撫でてから『俺もだ。』と呟いた。