第75章 とある日曜日
杏「俺と君が恋仲だと知ってから最近俺の元へ君の話をしにくる生徒が増えた。部活も上手く行っているようだな。」
「生徒さんがそう言ってくれたんですか…?」
杏「うむ!合奏で君の指導を受ける度に新たな課題が分かり、全体のレベルが上がっていくのが手に取るように分かると言っていたな!!」
「わ……うれしい…………。」
杏寿郎は信号で止まると笑いながら桜の頭を撫でた。
杏「授業はどうだ?」
「上手くいってると思います。とっても静かに聞いてくれるし、質問したらきちんと答えてくれるし、…………あと、なぜか皆 笑顔です。」
そう言って桜が不思議そうな顔をすると杏寿郎はそれを横目でチラッと見て少し微笑む。
杏「君自身があまりにも楽しそうに教えるから見入ってしまっているのだろう。それで生徒も聞いているのだから天職なのだろうな。」
家庭に入って欲しいと言いながらも認めるところはきちんと認めてくれる杏寿郎に桜は頬を緩ませた。
(ああ、好きだなあ……。)
―――
「わーー………おっきいんですね!」
杏「そうだな!スパ施設というよりもテーマパークに近いように思える!!」
「テーマパーク!!!」
桜は男を避けていた為 あまり遊び慣れていない。
なのでその響きに過剰に反応した。