第75章 とある日曜日
「お義母さまに教えなきゃ……。」
杏「そんなに酷かっただろうか…。烈火……格好いいだろう。」
「女の子は可愛い方がいいですよー。花の名は枯れる事から縁起が悪いとも言われますし、火の字を入れるのは難しくなりますが、私は響きが好きです。」
杏「花の名か……確かに良いな!!鉄砲百合なんかはどう、」
「もうっ!却下です!普通そこは百合ちゃんですよ!鉄砲ユリは確かに綺麗ですが……!」
そう言う桜は笑っていて楽しそうだ。
杏寿郎は笑う桜を少し不思議そうに見つめたがすぐに一緒になって笑った。
杏「さて、今度こそ風呂に入ろうか。」
「わっ」
話を切り上げると杏寿郎は着替えを持ってから桜を抱き上げて裸のまま風呂へ向かう。
(この時代でも杏寿郎さんは私をこうして運ぶクセがあるみたいだな……歩けるのに…。)
そう思いつつ桜は杏寿郎の胸に額をくっつけると幸せそうに微笑んだ。
それから杏寿郎は欲に耐え抜き余裕を持って桜との風呂を終え、いつものように髪を互いに乾かし合い、好きな飲み物を広すぎるリビングテーブルで飲みながら杏寿郎は桜にリボンを渡した。