第73章 二人の成敗
桜は固まった生徒達を見ると 体の後ろで両手を握り愛らしく首を傾げる。
「どうしようか。」
笑っているのに瞳が怒りに燃えている。
自身が痴漢をされたからではなく、ただただその "大事な人" とやらを困らせたが為に 怒りそうになかった桜の大きすぎる地雷を踏んでしまったのだと悟った生徒のうち1人がポツリと呟く。
男生「桜ちゃん……め、メデューサみてぇ。」
「あ、それだあ!」
桜の動作は相変わらず怒りを感じさせず今は楽しそうに両手をぽんと胸の前で合わせている。
「弟を傷付けた子供達にもその酷い名前で呼ばれてたんだよね。ねぇ、何でだろう?………ね。」
メデューサと呼んだ男子生徒の顔を桜が真顔で見上げるとまさに神話通り石のように固まった。
「おかしいな、ここまで言っても分からない?この今までの証拠と今の動画、出すべき所に提出して 親御さんにも見せちゃっていいのね?殊勝な心掛けだなあ。慈悲をかけようとしたのに自ら罰を受けに行くなんて…。」