第73章 二人の成敗
「人数分ある。私あなた達を信じて何度も機会を与えたわ。引き返しなさいって。」
動画から聞こえてくる桜の説得する声は何かを信じるような声なのに 今の桜の声はただただ静かで冷たく響いている。
男生「と、取れ!そのスマホまじでやばい!!」
男生「がっつり顔まで映っちゃってるじゃん!」
その言葉を聞いて桜の近くに居た男子生徒が桜の腕を掴もうとする。
しかし桜は不自然なほどに捕まらない。
「データがこれだけだと思ってるの?私もそこまで馬鹿じゃないわ。当たり前だけどパソコンにも移してあるし、信頼できる人にも渡してある。それに…、」
そこで言葉を切るとふわりと微笑む。
「今まさにその人がこの部屋に置いてあるカメラでここを見てくれている。勿論パソコンの方に随時録画もしているわ。何かしたら完璧な証拠だし、確実に人生が狂うでしょうね。」
男生「はぁ?桜ちゃん盗撮してたってこと!?」
男生「それこそ良くないんじゃないの!?」
「あなた達がそれを言うの?『思い出を作りたい』って言ったじゃない。だから録画したの。ああ、でもせっかくの思い出の動画に罪を認めて楽しそうに喋るシーンも入ってしまったわね。」
その言葉に男子生徒は皆固まり青ざめた。