第73章 二人の成敗
桜は体験入部の日から度々 "何故か" 尻を揉むのみに限定された痴漢行為を受けており、それはエスカレートしていた。
日毎に痴漢をする時間は長くなり、桜が根気強く叱って『今のうちに止めるように。』と言っても殆どの者がやめない。
桜の独特な柔らかい雰囲気から『今のうちも何も無い』と思ったからだ。
しかし痴漢行為をする者が同じ顔ぶれになり機が熟した頃、―――丁度特進クラスの合宿が始まった日の放課後に桜は動くこととなる。
「不死川先生、お願いがあります。これから流す映像を見ててもらえませんか?それから今から送る動画達も保存しておいてください。」
実「…あ?………空き教室じゃねェか。何のつもり…、」
実弥は映し出されたリアルタイムの教室の映像を一瞥した後、送られてきた動画を見て額に青筋を浮かべた。
実「お前…この量……ッ!何で今まで黙ってたんだァ!?」
「しーっ!落ち着いて。これから成敗しに行くから実弥さんはここで見てて。ピンチになったら頼りにしてるよ、お兄ちゃん!」
桜がそう言い逃げして走って出て行くと実弥は教室の動画を見つめて貧乏ゆすりを始めた。
画面の右下にはきちんと教室名も表示されている。
実(全く……煉獄も被害の事は知ってんのかァ…?)