第72章 始まる学校生活と懸念
杏「機会をくれて本当にありがとう。」
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桜は夕食後 自身にココア、杏寿郎に焙じ茶を淹れるとリビングテーブルに座った。
杏「俺は少しでも早く君に家庭に入ってもらいたい。これ程すぐに体を触られ、『頼めば何でもしてくれそう』などと考える男に迫られる君を想像しただけで腸が煮えくり返る。……何かがあってからでは遅い。」
「…………まず、杏寿郎さんに心配をお掛けしてしまってすみません。きっと私の代わりに叱ってくれたのでしょう…?ですが、時間をください。私の印象を変えてみせます。」
杏寿郎は桜の真剣な目を暫く見つめると目を閉じてから頷いた。
杏「元より少なくともこれから1年はただの恋人である俺に強要する力は無い。俺が出来る範囲では守るようにするが、十二分に気を付けてくれ。1年後また話し合おう。」
「はい!ありがとう、杏寿郎さん。」
桜はそう言うと一口も飲まなかったココアを置き去りにして杏寿郎に駆け寄り抱きついた。