第72章 始まる学校生活と懸念
桜は予想通り吹奏楽部の副顧問となり、又 行冥の受け持つ筍組のお飾り副担任となった。
そしてきちんと挨拶をするのは今日が初めてだ。
(悲鳴嶼先生、『驚くかもしれないな。』って言ってたけど何でだろう。ふふ、珍しくちょっと悪戯めいていたなあ。)
桜が楽しそうにしている空気を察して行冥も微笑みながら歩き、2人はあっと言う間に筍組の前に着いた。
入る前に行冥は桜を振り返って小さく頷く。
―――ガラッ
戸が開き、行冥が入るとざわざわとしていた教室が静かになる。
行「皆、おはよう。」
「「「おはようございます!!」」」
元気の良い声に廊下で待機している桜は思わず微笑んだ。
行「新しいクラスとは言え中等部から来た者がほとんどだろう。だが、副担任の先生は新しく入られた先生だ。くれぐれも困らせないように。では、先生。」
「は、はい!」
桜が思い切って教室に入ると教室が騒がしくなり、更に3人の生徒が勢い良く立ち上がった。
炭「桜さん!?」
善「桜さんだ…!」
伊「桜!!お前あの時何で突然、ぶっ」
伊之助は途中で行冥に口を塞がれた。
と言うより顔面を片手で掴まれていた。