第72章 始まる学校生活と懸念
(やってしまった……。)
桜は目覚めると杏寿郎の寝顔を見つめ、そっと頬を撫でてから後悔と反省を抱いてベッドから出た。
(楽しく酔っちゃって色々と恥ずかしい事をしてしまった気がする…。今まであんな酔い方したことなかったのに……。)
カーディガンを羽織ってルームシューズを履くと顔を洗って髪を結いながらキッチンへ入り、炊飯器を開けてタイマーをセットしておいたご飯が炊かれている事を確認する。
(人様の前でいちゃついてしまったかもしれない…。しかも先輩方の前で……。)
桜はそう思うと1人顔を赤くしながら朝用であった為に義勇には出さなかった鮭を取り出し魚焼きグリルに入れた。
(皆引いちゃったかな……恥ずかしい。)
鍋にお湯を沸かして鰹節と昆布で味噌汁の出汁を取ると その間に豆アジを手開きにし、細かくなるまで包丁で叩いていく。
十分細かくなったところに刻んだネギと味噌、醤油、生姜を混ぜてなめろうを作り、それを半分残しておいて もう半分に人参と片栗粉混ぜた物を丸めて味噌汁に落とし つみれ汁を作った。
(ううん…恥ずかしいだけならまだましだ……。冨岡さん…冨岡先生にワサビを、…タバスコも食べさせた記憶がある…。謝らなきゃ……。)
桜は桜えびと小ねぎを混ぜた卵焼きを作ると鮭の焼き具合いを確認し、昨晩作って冷やしておいた茄子の煮浸しと白菜の浅漬けを出す。
(宇髄先生にも何か生意気なこと言っちゃったような……。不死川先生と伊黒先生、悲鳴嶼先生は優しいから何も言わないだろうけど 何て思われたかなあ……。)
おかずを並べ終わると茶碗を用意してから寝室へ向かう。