第71章 続く再会
それでも桜がこの記憶がない2年でさえ自身を随分と一途に想っていてくれた事を知った為 昔のようにすぐ嫉妬せずただ繋ぐ手に力を込め直した。
杏「……愛しているぞ。」
コンビニ内で思わずそう口にすれば傍から見てバカップルである。
酔っている桜も流石に羞恥から赤くなった。
「杏寿郎さんは今も昔も私の気持ちを揺さぶるのが上手です……。」
そう言いながら少し酔いの冷めた桜はおはぎをカゴに入れると赤い顔のままアイスコーナーへ杏寿郎を引っ張っていったのだった。
天「おーおかえりー。」
杏「君の家ではないぞ!!」
「色々と買ってきましたよー。アイスは2種類、それぞれ人数分ある箱アイスですが、あとは早い者勝ちです!」
そう言うといつの間にか綺麗になっているローテーブルに並べていく。
(さね…不死川さんだな、片してくれたのは…。悲鳴嶼さんも手伝ってくれたかも。)
「片してくださってありがとうございます。」
桜は並べ終わると2人に向かって微笑んだ。
その読みは当たったようで2人とも『気にしなくて良い。』とだけ言ってスイーツを選び始めた。
「はい!杏寿郎さんはこれです。」
そう言って差し出したのはもちろんお芋のスイーツである。