第71章 続く再会
「私はここでの生活を信じてくださったんだと知って嬉しかったですよー。あ、ちょうど和物と洋物のおつまみ作ったのでお酒に合わせて食べてやってください。」
桜はそう言って手洗いを終えた者をリビングに呼び戻しながらその話題を終わらせた。
それから杏寿郎が乾杯の音頭を取り、前世では叶わなかった飲み会が始まった。
結局皆4人掛けのリビングテーブルは使わずにローテーブルの周りに集まり、3人掛けのソファには天元と実弥が座って 後は敷いてあったクッションに適当に座っている。
小「杏寿郎から聞いていた通り子供は授かれなかったが夫婦仲良く生きる事ができた。礼を言う。」
「いいえ。私も文通する中で幸せを分けてもらってましたから。もう蜜璃ちゃんが可愛くて可愛くて!」
小「同感だ。」
蜜璃はまだ大学生らしく、尚且つ今忙しくしている為 小芭内は寂しい様子だった。
生き残った実弥は意外にも結婚して子供を作り血を繋げていた。
今の妻であるカナエは妊娠中で、今日は実弥の母親が様子を見に来てくれているそうだ。
行冥は小芭内と同じく命を落とす運命であった為 誰とも一緒にならず、再び身寄りのない子供を集め 世話をして過ごしたとのことだった。
義「俺は……俺も、結婚をして子を拵えた。」
実「はい、ダウト。こんな父親がいてたまるかァ。」
杏「冨岡は女性にモテるだろう!引く手数多だったに違いない!!」
義「それは煉獄の方だろう。あんなに、」
余計な事を言い掛けた義勇の頭を その為に隣りに居たと思われる実弥が思い切り引っぱたく。
その逆隣には苛々とした様子の小芭内も居る。