第71章 続く再会
「…………………………。」
桜はきちんと言われた通りにエプロンを外すも心の準備が出来ていなかった為、部屋の真ん中にぽつんと立ったまま放心状態になってしまった。
天「おじゃましまーす。あいつは?出迎えてくれねーの?」
実「同棲は早いと言っただろォ。」
小「俺も同感だ。いくら昔夫婦だったとは言えあまりにも性急過ぎる。きちんと分けて考えなければ関係が有耶無耶になってしまうぞ。」
行「2人ならその心配はないだろう。そう俺は信じている。」
義「………………俺も信じる。」
「……………………………あ……、」
桜は呆けたまま一番乗りで入ってきた天元を見つめる。
天元はそこで足を止め入り口を塞いでしまった。
桜があまりにも呆けていた為、天元はハッとすると杏寿郎を振り返った。
天「お前本当に攫ってきたのか!?」
杏「何の話だ!!!」
天「お前がぶっ壊れてた時の話だよ!!お前『もう攫ってしまおうか。』って真顔で言ってたじゃねーか!!記憶戻ったってのも妄想なんじゃねーの!?」
杏「妄想ではない!!早く部屋に入ってくれ!!!」
そう言われると天元は目をパチパチとさせている桜をじっと見つめながらリビングに入り、そのまま我が物顔でソファに座った。