第71章 続く再会
(杏寿郎さん……?)
桜がとろんとしつつ不思議に思ったその時―――、
―――ピンポーン
来客を報せるチャイムが鳴った。
杏「むぅ。」
杏寿郎は眉尻を下げて再び名残惜しそうに軽くキスをするとモニターに近付き解錠した。
杏「自由に触れなくなると思うと喜ばしい席も複雑に感じてしまうな。」
「………………………………え……?」
桜が呆けた顔をすると杏寿郎も驚いた顔をした。
杏「今夜集まると伝えておいただろう。不死川と伊黒、悲鳴嶼さん、冨岡、それから宇髄が来るぞ。」
「えっ、え、わわ、私この格好で大丈夫ですか!?何かおかしいところは……!」
杏「………確かに愛らしすぎるな…。だが他の服も全てそうだ。俺の服を着た姿を見せる訳にもいかないし仕方あるまい。我慢しよう。だがエプロンは外してくれ。」
杏寿郎はそう会話を終わらせると玄関のチャイムを聞いて鍵を開けに行ってしまった。