第71章 続く再会
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「……………………量多くないですか?」
杏「うむ!いっぱい食べるのでな!!!」
帰りのスーパーで杏寿郎はカートを2台使い、計4つのカゴに山盛りの食材を入れていた。
(買い置き……?ううん、冷蔵庫に入り切らない。お昼少なかったからお腹空いちゃったのかな……かわいい。)
そんな事を思いながら桜は杏寿郎が月曜まで待てずにジャケットに挟んでいるネクタイピンを見つめ、また頬を緩ませた。
杏「しかし本当に良いのか?無理はしなくて良いんだぞ。出前を取っても…、」
「え!いえ、もちろん作ります!作りたいです!!」
杏「………そうか!!喜ぶぞ!!!」
(…………喜ぶぞ………………?)
それから桜は大量にある食材を捌くには時間が掛かると思い、冷めても美味しい物をどんどん作っていった。
(おつまみも欲しいって言ってたな…。)
桜は和食のつまみの他に、今日食べたイタリアンに触発されたつまみも作った。
「杏寿郎さん、これで最後……わあ、ローテーブルもリビングテーブルもほとんど埋まっちゃいましたね……。」
杏「丁度良い量だ!桜、大変だったろう、おいで。」
杏寿郎は最後のひと皿を受け取ってローテーブルに置くと桜を抱き締めて頭に頬擦りをする。
そしてどこか惜しむように急くようなキスを繰り返した。