第71章 続く再会
杏「では次に君の腕時計を買いに行こう!」
「貰ってばかりですが……やっぱり杏寿郎さんから貰ったものを身につけられるのだと思うとわくわくしちゃいます。」
そうふわふわとした笑みを浮かべる桜を優しく撫でると杏寿郎も同じく有名ブランド店に迷わず足を運ぶ。
新米教師が1人で買ったにしては不自然だからこそ敢えてそこを選んだのだ。
そんな邪な考えなど知らない桜は入る前に首を横に振った。
「そ、そんな…ネクタイピンとは訳が違います……!ブランド店の腕時計となると金額が…!」
杏「就職祝いだ。一生で一度だぞ。甘えてくれ。」
そう大人の笑みを向けられながら髪を梳かれると桜は赤くなって俯き大人しくなる。
杏寿郎はそれを見ると微笑んでぽんぽんと頭を優しく褒めるように撫でてから店へと入った。
桜は値段を見せてもらえず 只々好みを訊かれ、アクセサリーで有名なそのブランドらしいキラキラとしたラグジュアリーで女性らしい物を買ってもらった。
そしてその値段はネクタイピンの10倍を優に超えていた。
「本当に可愛い…。ありがとうございます!とってもとっても大事にします……。」
2人は再びベンチに座ると互いのプレゼントを見て幸せそうに微笑み合った。