第71章 続く再会
到着し車を駐めると2人はまず昼食をテイクアウトしテラス席へ向かった。
「いいお天気ですねえ。雲一つないですよ。今夜は星がよく見えそうです。」
杏「うむ。一緒に住めるようになった事だし、今度 前世では叶わなかった夜のデートもしてみようか。」
桜は "夜のデート" という未知の響きに少し目を輝かせ、少し臆病な色を滲ませた。
杏寿郎はそれを見て笑うとテイクアウトしたイタリアン料理の蓋を開けていく。
杏「気構えさせてしまったな。俺は前世でも言ったが君と蛍を見たいんだ。それが出来ればあとはしなくとも構わない。君と家で過ごす時間はとても楽しいだろうからな。」
「あ……違うんです。あまりにも知識がなくて杏寿郎さんを退屈させちゃうんじゃないかと思って消極的になっちゃっただけです。」
杏「そういう事ならば色々な所へ行こう!君と居て退屈な事など1秒たりともあり得ないからな!さあ、食べるぞ!!」
「はいっ」
桜が蕩けた顔を見せてしまう為、外での食事はやはり殺気を放つのに忙しい時間となった。
「ごちそう様でした!!和食も好きですがイタリアンも大好、き……杏寿郎さん、大丈夫ですか…?血管浮いてます……。」
杏「……あまり大丈夫ではないな。ここは若い男が多い。絶対に俺から離れてはならないぞ。」
「はい……。ですが暴力はもうなくなって、色香もありません。…あまり気にしなくても大丈夫なんですよ。」
桜の言葉は杏寿郎を思い遣っての言葉だった。
しかし杏寿郎は心底困ったように息をつく。