第71章 続く再会
杏「………愛らしいのでそのままで良い。いつでもその時の桜が好きだ。」
それを聞くと桜は杏寿郎を抱き締めた。
杏寿郎はそうされると愛おしそうに目を細めて抱き締め返した。
「杏寿郎さん、今何時でしょう。かけておいたアラームが鳴っていないのでまだ7時半前だとは思うのですが…。」
そう訊かれると杏寿郎はスマホに手を伸ばして時刻を確認する。
杏「む……丁度7時のようだ。朝に何か用があったのか?」
「いえ、ただの朝ごはんの用意です。休日だから8時くらいでも良いかなって思っていたのですが もっと早く起きるべきでしたね。支度をしてきま、っ」
ベッドを出ようとすると手を引かれて再び杏寿郎の腕の中に収められてしまう。
すると桜は戸惑った表情を浮かべた。
「杏寿郎さんもっと前から起きていたのでしょう?すみません。お腹すい、んっ」
唐突なキスから暫くして解放されると桜は困惑したように眉尻を下げた。
「杏寿郎さん……?すみませんでした。明日からはちゃんと作って待っているので、」
杏「前は時代が時代だったので気付けなかったが 君は古風な考えなのだな。俺は君が俺を差し置いて寝ていても全く怒らないぞ。一緒に用意するのも楽しそうだ。……火は扱えないが。」
それを聞いて桜は少し呆けた後パッと顔を輝かせた。
そして2人で用意をしようとわくわくしながら再びベッドを出ようとする。