第70章 お許しと引っ越し
杏寿郎のマンションに着くと桜が貰いたてのカードキーでエントランスに入り、エレベーターを呼んだ。
そしてきちんと5号室の前に着くとキャリーバッグを運びながら後ろを歩いていた杏寿郎が桜の頭を褒める様に撫でた。
杏「うむ!正解だ!!」
「もう、さすがに覚えますよー。」
杏「からかってはいないぞ。出入りする際には俺が一緒にいるとは思うがこれで一安心だ。では、家へ入ろう。今日から此処が君の…いや、俺達の愛の巣だ。」
「ふふ、その言い方懐かしいです。」
そう言って桜が笑うと離れで過ごした日々を思い出した杏寿郎も微笑み返し、2人は仲良く家へ入った。
ドアを閉めると杏寿郎は早速桜を後ろから抱き締め、靴を脱ぐ邪魔をした。
「杏寿郎さん、お家へ入りましょう。」
桜の声は注意するものではなく、嬉しそうな声色であった。
杏「…………すまない、腕が動かないので自力で抜け出してくれ。」
「そんな…杏寿郎さんに力で敵うわけないじゃないですか。んむっ」
杏寿郎は桜の肩を持って自身の方を向かせるとすぐに口付ける。
そして舌を入れようとした為 桜は慌てて横を向いた。