第70章 お許しと引っ越し
杏(前は他の男に声を聞かせる事を耐え難いと思っていたが、今では『俺がこれ程桜を鳴かせているのだ』と知らしめるのも良いと思えてしまう。趣向が変わったのだろうか。)
桜はまた3度抱かれ、くたっとしている間に杏寿郎に風呂へ連れて行かれた。
「杏寿郎さん、ひ、1人でできます…!」
杏「無理しないでくれ。随分ぐったりとしていたぞ。セックスの後 男が女性の体を清めるのも自然な流れの1つだ。恥ずかしがらなくて良い。」
そう、"おかしな事ではない" と伝えられると無知な桜は歳上の杏寿郎に対してガードを崩してしまう。
「そ、そうだったんですか……。」
杏「うむ。汗をかいたろう。髪を洗ってあげよう。」
柔らかい声でそう言って優しく微笑む杏寿郎は理想的な男性そのもので桜は頬を染めながら体を預けた。
「あちらでもお互いの髪を洗いましたね。私も洗って良いですか…?」
杏「勿論だ。君は俺の髪もよく褒めてくれていたな。匂いも好きだと言って顔を埋めていた。」
「う……そんなことも言いましたね…。でも私の使ったら杏寿郎さんフローラルな香りになっちゃいます。ちょっと残念かも……。」
杏「…………………………そうだな。」
「……………杏寿郎さん……?」
杏寿郎は明らかに何かを考えていたが にこっと微笑んで話を終わらせると桜の髪を洗いだした。