第70章 お許しと引っ越し
「………………し、しないよ……。だって……生徒だもん。」
杏「君はやはり年下に甘い。生徒だろうが関係ない。16から18歳程の鬼殺隊士の男に押し倒された事は一度も無いのか。」
そう訊かれると心当たりが多すぎた桜は眉尻を下げて俯く。
それを見ると杏寿郎は小さく息を吐いて桜に歩み寄り、側に座って優しく頭を撫でた。
杏「桜。制服を着て幼く良い子に見える生徒であろうと、必ず男になる事が出来る。よくよく注意するんだ。いいな。」
杏寿郎がそう子供に言い聞かせるように優しく言うと桜はこくりと素直に頷く。
それを見て杏寿郎は再び頭を撫でた。
杏「だがマナーと言われては仕方無いな。君の横の繋がりを邪魔する訳にもいかない。」
「極力薄くします。」
桜が慌ててそう言うと杏寿郎はパッと笑顔になる。
そんな杏寿郎の大きな手を掴むと桜は撫でてもらおうと頭に乗せた。
杏「……はは!君は本当に愛らしいな!!おいで、もっと撫でてやろう!」
杏寿郎は桜を抱き寄せて自身の足の間に収めると ぎゅうっと抱き締めてから頭を優しく何度も撫でる。