第70章 お許しと引っ越し
「お、お父さん……少なくとも段階を踏んで1年は時間をおくって約束をしてるから お父さんもゆっくり心の準備をしてくれないかな…?」
由「大丈夫よー。いざ結婚となれば桜のウェディングドレス姿見たさにわくわくしだすと思うわ。2人は安心して仲睦まじく暮らしなさいな。」
「うん!!」
杏「ありがとうございます!!」
思ったよりも好待遇であった事に2人は安心し微笑み合った。
由「いつまで項垂れてるの?杏寿郎さん程素晴らしい男性はいないわよ。」
勇「………………だからだよ。黙って送り出す他ないじゃないか…。」
その答えに2人を見送っていた由梨は目を丸くして勇之を振り返る。
そして杏寿郎を認めていた事を知って微笑んだ。
杏「許可も得られたし今日中に君の部屋から荷物を運ぼう!!」
帰りの車の中、杏寿郎がそう楽しそうに言った。
それを聞いて桜は目を大きくさせる。
「え!この車じゃ引っ越しは無理ですよ…!」
杏「家具は十二分に揃っている!!とりあえず必要なものだけ積んですぐにあちらへ移ると良い!!!後は追々だ!!」
「な、なるほど…。」
桜は1日のうちに両家に顔を出し、更に同棲の許可を貰い、そして移り住む準備をするとは思っていなかった為 杏寿郎の行動力の高さに舌を巻いた。