第70章 お許しと引っ越し
「美しーい白い猫の姿の神様だよ。姿を認識する事ができる私は触る事も出来るの。お父さんに大正時代へ行ったきっかけの非科学的な存在を証明するよ!」
勇「………………………そうか……。」
勇之は最愛の娘が言う事と自身の常識の狭間で呆然としてしまった。
「ユキ様、ユキ様ー…!」
ユ『桜、久しぶりだな。……勇之、由梨、杏寿郎もいるのか。』
「うん。……あ、はい。」
ユ『ああ、記憶が戻ったんだね。上へおいで。』
「うん!!あ、はいっ!」
由「まあ、何てお話しをしているの?」
「とりあえず上に来なさいって!杏寿郎さん、ユキ様の姿がもっと大きくなって毛も少し光るようになってるの!すっごく綺麗…。」
杏「そうか、それは見たかったな。…俺もユキ様と呼んだ方が良いのだろうか。少なくともユキは俺の事をもう友人と思ってはいけないのだろう?」
「はい……。でも…もしかしたら呼び方は適当で良いのかも。神様って認識さえしていれば…。私が記憶を失ってここを訪れたときユキ様って呼ばれて寂しそうな顔をしてたんです。」
勇「…桜……………。」
勇之はぺらぺらと話す桜の後ろ姿を見ながら困ったような顔をしていた。