第70章 お許しと引っ越し
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杏「では、行って参ります!!」
「頑張ります!!」
杏寿郎と桜は桜の両親が起きるくらいの時間帯に早速都合を聞いて会う約束をすると、煉獄家に昼まで滞在してから出発した。
2人が瑠火と桜と千寿郎が作った特性お重の手土産兼お昼ごはんと共に車に乗り込み車内から手を振ると 3人は戦場へ向かう2人に声援を送りながら手を振ってくれた。
杏「……記憶が戻っても俺に助手席のドアを開けさせてくれるのだな。」
杏寿郎がそう嬉しそうに言うと桜も微笑む。
「6つも歳上なのは変わりません。前世と合わせればもっと先輩ですね。昔と変わらないところもありますがやっぱり杏寿郎さんは大人の男性になりました。これからも私を導いて下さい。」
杏「勿論だ!!!」
「ですが、………あの…昨夜ベッドで教えてくれた事は本当ですか?前はお互い知識が足らず、宇髄さんから教えてもらった事以外は手探りでしたが、あれが正しい知識なのでしょうか……?」
杏「勿論そうだぞ。今世では記憶が無いにも関わらず君との事を想定してかああいった知識は積極的に取り込んできたんだ。なので安心して任せてくれ。事実、とても良かったろう。あんなに蕩けた顔は初めて見たぞ。」
杏寿郎はそう言いくるめようと落ち着いた優しい声を出した。
すると桜は頬を染めて自身の太ももに視線を落とす。
「……………………はい……。あのような感覚は初めて味わいました。」
杏「だが、昨夜も言った通り周りの人に言ってはならないぞ。ネットで調べても駄目だ。ああいった事を検索すると端末がウイルスに感染する。」
「えぇっ!き、気を付けます…!!」
それを聞くと杏寿郎は桜の騙されやすい愛らしさから笑いそうになるのを堪えながら桜の家まで車を走らせた。