第69章 桜と記憶と再会
(本当に絶妙なタイミングで言うんだから……!)
瑠「槇寿郎さん、聞きました?桜さんはなかなか嬉しい事を考えてくれているようですね。」
槇「ああ、俺も初めて知った。今回は嫁似の娘が生まれるだろうか。」
千「甥っ子姪っ子が6人……。」
千寿郎まで嬉しそうな顔をすると桜は人知れず白旗をあげた。
「頑張ります……。」
槇「しかし桜の紹介や同棲の報告など今更という感じがあるな。瑠火にも既に会っているし、離れでも2人で住まわせていたし…。やはり今日都合がつくのなら一ノ瀬家の方に行ってみてはどうだ。当日なので勿論丁重に頼まねばならないが……。」
「母はいつでもウェルカムだと思います。ですが父は……子離れできていません。」
その言葉に槇寿郎と瑠火、千寿郎は何となく桜の家族関係を察する。
瑠「お母様とは未だにご連絡……というより書道教室にもいらっしゃってたまに講師をして頂いているのですが、お父様のお話はしませんでしたね。」
「………………えっ!?母がそんな事をしていたとは初耳です……。父は……私が衰弱したのが杏寿郎さんのせいだと思ってあまり良い印象を持っていないのかも知れません。」
槇「衰弱……?杏寿郎、何かしたのか。」
杏「それがまた俺の噂が原因で桜との仲が拗れていたのだと昨夜判明しました!!」
それを聞いて槇寿郎は頭を抱える。