第69章 桜と記憶と再会
その時―――…、
―――カシャッ
「…………え?」
―――ピロンッ
ふと横を見ると瑠火がスマホを構えている。
そしてジェスチャーで『続けて、続けて。』と伝えていた。
「ねえ、千寿郎くん。お義母さまって結構可愛らしいよね。今録画されてるみたいなんだけどどうしよう。」
千「え"っ」
千寿郎が動揺したその瞬間、桜がまたくすぐり始める。
千「えっ!ちょっ、あねうっ、あはは!たすけっ、」
「あはは、可愛らしいなあ。」
杏「俺は千寿郎に加勢しよう。」
「えっ?きゃっ」
ずっと放置されて腕を組んでいた杏寿郎はそう言うと桜をくすぐり始めた。
「や、ふふっ、やだ!まってっ」
杏「こら!逃げるな!!」
槇「瑠火、俺はどっちに加勢すれば…、」
少し寂しそうな槇寿郎がそう問うと瑠火は無情にも首を横に振る。
そしてしゅんとした槇寿郎を見て愛おしそうに目を細めた。