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ねこ神様と太陽【鬼滅/煉獄さん/救済】

第69章 桜と記憶と再会





杏(約束以外は大体伝えただろう。……もう、これでいいのかも知れない。今の桜も桜に違いはない。思い出を共有出来なくとも今結ばれたのであればそれ以上は、)

「私、必ず思い出します。ユキ様が言っていた通り、靄さえ取れれば思い出せると思うんです。大事な人との思い出、忘れたままなんて自身を許せそうにありません。」




桜の久しぶりに聞いた頑固な声に杏寿郎は眉尻を下げて微笑んだ。




杏「ああ、君はそういう子だったな。では俺は大いに期待して待つとしよう。」




そう言いながら桜の頭に優しく顎を乗せる。


そこで喋られると頭に杏寿郎の声が直接届き桜の脈は速くなってしまった。




杏「此処の家、1人で住むには広いだろう。君と再会してから引っ越したんだ。君が卒業するまでは同棲出来ないと分かっていながら気が急いてしまってな。」



「………………えっ!?」


杏「はは、良い反応だな。ここからは勤務先が近い。駅も近い。行き帰りのボディーガードもいる。……いつでも越して来てくれ。」




桜は前にデートした時に家具屋で杏寿郎が真剣な顔をしていた事を思い出した。




(あの後 本当に2人の部屋を……、)


「すっごく急いで引っ越します。」




桜が少し震える声を出すと杏寿郎は声と矛盾している強い言葉に思わず笑った。


そしてまた頭を優しく撫でると桜を隣に置いて席を立つ。

杏寿郎はすぐに戻ってくると桜にカードを1枚差し出した。




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