第69章 桜と記憶と再会
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杏「初めから3度も頑張れるとは桜は本当に良い子だな。体は本当に大丈夫か。痛みは残っていないか。」
そう言いながら杏寿郎は破瓜の血が付いた桜の太ももを優しく丁寧に拭う。
「大丈夫です…。すごく気持ち良くて、それからとっても幸せでした……。」
桜がそうふわふわとした笑みを浮かべながら素直な感想を言うと 杏寿郎は再び湧き上がりそうになる欲を自制心で押さえ込んだ。
杏(こうして割と簡単に抑え切れる程度の性欲で助かった。3度出来れば十分だ。それより…、)
杏「桜、楽な服を貸すので着たらリビングへ来てくれ。」
「は、はい…!恋人っぽい……。」
杏「恋人だろう。」
杏寿郎はぼんやりとしている桜を笑いながら下着を身につけると 部屋着を出してきて桜に手渡す。
そして自身も部屋着を着ると先にリビングへと向かった。
桜はそれを見送った後 下着を身につけていそいそと部屋着を着る。
(……………杏寿郎さんの匂いがする……。おひさまみたいな…、)
袖に顔を埋めて匂いを嗅いでいると桜は杏寿郎にすぐ近くで笑われた気がしてバッと顔を上げた。
しかし杏寿郎は部屋にさえ居ない。