第68章 ※手解き
「も、もしもし。一ノ瀬です。」
天『おー一ノ瀬センセ、こんばんは。お前らどこいんの?その静かさ…家?もしかしてもう手ぇ出され、』
杏「挨拶はそれくらいで良いだろう!!とにかくめでたく結ばれたので連絡した!君には散々心配をかけたのでな!!」
天『うるっっせーー……。わかった、後で詳しく聞かせろよ。じゃーな。』
天元側からあっさりプツッと切れると杏寿郎は内心ほっとした。
天元が手を出すには早いと教えそうになったからだ。
杏「彼はセックスに関して訊いてきたり、話を引き出す為に……俺の教えと異なる妙な事を言ってくるかもしれない。だが、耳を貸しても話に乗ってもいけない。淫らだと周りに思われてしまう。そういった時は『よく分からない』の一点張りに限る。」
「は、はい!」
素直に頷く桜の頭を杏寿郎は微笑んで撫でる。
杏「では、今度こそ食べさせてもらおう。」
「……何をですか…?」
杏「そうだな……襲う、食べる、抱くなどはセックスをするという意味だ。許可を得ないような乱暴なものは犯す、乱暴するとも言う。」
「へえぇ……たくさん……。」
杏「それで、君を食べても良いのだろうか。」
その問いにハッとすると杏寿郎が燃える瞳を向けている。
桜はそれを見つめると微笑みながら頷いた。