第68章 ※手解き
それを見て杏寿郎は昔自身がよくされていたように微笑みながら桜の頬を優しく摘んだ。
杏「君の存在がそうさせたんだぞ。それなのに笑うとはいけない子だ。そんな調子だとまた襲ってしまうぞ。」
「……………………襲う……?」
杏「セックスの事だ。」
「私も…またしたいです。」
桜は微笑みながらそう言うと杏寿郎の首に腕を回して身を寄せる。
杏寿郎は大きな幸福感を得ながら抱き締め返した。
杏「ではもう一度しよう。だがその前に宇髄に連絡をさせてくれ。ここ2年、随分と心配をかけた。」
「は、はい……!もちろんいいです!」
桜はそう言うと自ら離れて掛け布団を身に纏いながら正座をした。
杏寿郎はそれを見て笑いながらスマホを手に取り電話を掛けた。
杏「もしもし。宇髄、実はだな…、…………よもや、声色だけで分かるとは!…うむ!……今も一緒に居るぞ!!」
「先輩ですし私も挨拶した方がいいでしょうか……?」
桜は会話の邪魔にならないように小さな声でそう問いかけた。
しかし宇髄の耳はすこぶる良い。
天『出せ出せ!!ちょっと代われ!!』
杏「むぅ。……桜、代わって欲しいそうだ。」
「えっ、……は、はい…………。」
そんなに早くバトンタッチされるとは思っていなかった桜は裸であった事もあり 緊張しながら頬を染めて電話に出た。