第68章 ※手解き
杏「だが恥を捨てるのは俺といる時だけだ。他の人にそういった事情をあけすけに話すのは好まれないので注意すること。」
「は、はい……!」
桜は急いで返事をすると 褒めるように撫でてくれる杏寿郎を見つめて『ありがとうございます。』と礼を言った。
その様子に杏寿郎は満足そうに微笑んだ後、少しだけ申し訳なさそうに眉尻を下げる。
杏「……ただ、女性は初めて挿れる時 痛みが走る。君もとても痛がっていた。それだけは耐えて欲しい。あとは気持ち良く蕩けさせると約束する。」
「……はい…………。」
"淡い" 欲情から赤い頬をしている桜は褒めるように頭を撫でられる度にとろんとした表情になっていく。
緊張で震えていた前世とは異なり、催眠にでも掛かったかのように身を委ねリラックスするその表情に杏寿郎はぞくぞくとした。
杏「俺は君の肌を毎晩何時間も見ていた。恥じる必要はない。」
何度も安心させる言葉を使うと杏寿郎はいよいよ隣に座る桜のブラウスのボタンを外していく。
桜はいくら言われても男に服を脱がされ始めるとやはり恥を覚え体を強張らせてしまった。
杏「……桜。正しい事をしようとしているだけだ。安心しなさい。おいで。」
杏寿郎は一度ブラウスから手を離すと桜の腰を抱いて引き寄せ、再び舌を入れてキスを始める。