第68章 ※手解き
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杏「では晴れて結ばれた事だしもう問題はあるまい!君の体を解消する為にはセックスをしなくてはならない!腹を括ってくれ!!」
「……えっ!?でもそういうのは結婚してから、」
杏「うむ、君がその勘違いをしている事は知っているが……いや、その時君は20歳だった。あれから2年間もその酷い勘違いをし続けていたのか。良く無事でいられたな。」
「…………………………。」
呆れたような目を向けられると理解が追いついていない桜は戸惑いながら眉尻を下げた。
すると杏寿郎は謝るように頭を撫で、優しい表情で目を細めた。
杏「俺は28歳になる。前世では60を超えるほど生き、相手が君だけだったとは言え妻もいた。君よりは遥かに知識がある。俺が教えるので安心して任せてくれ。」
「………………はい。」
桜は緊張しながらも素直に頷いた。
杏「まず、セックスは恋人ともする行為だ。互いに気持ちが良くなるし 愛も確かめ合える、尊いものだ。服を脱いでするものだが恥じる必要は全く無い。」
「ふ、服を…………?」
杏「うむ。服を脱ぐと共に心を開いて愛し合う。それが正しい行為だ。強い快感を感じても恥じる必要はない。そういうものなのだから素直に身を委ねると良い。」
「……なる、ほど…………。」
桜は顔を赤らめつつも "信用出来る大人" である杏寿郎の言葉を鵜呑みにした。
杏寿郎は桜の信じやすい性格を利用して性に関してオープンにさせようとしたのだ。