第67章 答え合わせ
杏「辛い時にすまない。だが大事なことだ。立道君とはどうなっている。……婚約者、なのではないのか。」
「え!?ち、違います!!成人式のときから今までずっとお友達です…!杏寿郎さんと会わなくなってからも私は…、……あの、とにかく今まで彼氏さんは出来たことないです…。」
杏「そうか……今、君は誰の女性でもないのだな。」
そう言うと杏寿郎は桜の額に優しいキスを落とし、額を合わせた。
杏「付き合ってくれ、ずっと君だけを想ってきた。誰よりも大切にする。」
桜は一瞬パッと目を輝かせたが、その輝きはすぐに失われた。
そんな桜の頬を杏寿郎が指の背で優しく撫でる。
すると桜は短く息を吸って震える声を出した。
「…………カナエ先生って…誰ですか?」
「たくさん……、あの定食屋さんで噂を聞きました。…私と会っている時期に……キスをしていたと…。その子達 写真も撮ってたみたいで、皆それを見て『ほんとだ、煉獄先生とカナエ先生だ』って……。」
杏「…………よもや。すれ違いの原因はそれだろうか。それのせいで君は俺を遠ざけたのか……?」
桜は杏寿郎から視線を外すと思い出して泣きそうになりながら頷いた。
しかし杏寿郎は眉尻を下げて笑い出した。