第67章 答え合わせ
杏「相手が俺で良かったな。そのような顔をしては襲ってくれと言っているようなものだぞ。だが……俺はよく知っている。君は今、俺の欲を煽っているのではなく只々強い恥を覚えているだけなのだと。」
杏寿郎は撫でていた手を止めると桜が泣きたくなるような優しい顔で目を細めた。
杏「桜、君は相も変わらず酷く恥ずかしがりなのだな。俺は……舌を入れれば君が欲情してしまう事を知っていて入れた。」
「え…………?」
(私達が……あれを前にもしたってこと……?)
杏寿郎は手を桜の頭へ移すと優しく大事そうに撫でた。
杏「それなのにすまなかった。体が辛いだろう。一人で解消出来る方法を教えるのでやってみてくれ。」
それから杏寿郎は自慰の仕方を教えたが、掛け布団を頭まで被った桜はコツを掴めずに首を傾げ続けた。
杏(上手く出来るようになったのは時透の同行に行っていた時だったな。あの時も随分とすれ違った。あの時は今と異なって指輪を外し…、)
杏寿郎はそこまで考えてパッと桜に目を遣る。
杏(桜はセックスについて知らなかった。彼とは触れるキスしかしてこなかったのか…?いや、もしかしたらまだ何か…、)
杏「桜!答えてくれ!!」
「……は、はい………………。」
桜は服を直して掛け布団から赤い顔を出した。